オーディオの基礎知識
ここでは大枠の基本についてふれています。詳細についてはマニアックなオーディオをご覧下さい。
機材やケーブルを代えたりすると当然音は変化します。
何かを変えた時に、詳細に聴こえるとかSN比が高くなるだけではなくバランスが変化する時には音合わせが必要。
これもよく勘違いする時があるのですが、機材やケーブルを評価する際にバランスが変化してしまった時には、
当たり前ですがセッティングをし直してをしてベストな状態同士で比べないと本当にどちらが優れているのか評価できません。
くせが有る物同士で何とかバランスをとっている所に、くせの無いものが入ると悪くなったと勘違いする時がよくあります。
1.スピーカー
最終的に音を出す部分ですが、一番先に選択する部分でもあります。
まずは部屋の容積に合わせ選択するのが一番自然な音を早く聴くことが出来ます。
大きな部屋なら大きなスピーカー、小さな部屋つまりスピーカーとリスニングポジションが近くなる配置の場合は小さなスピーカーを選択します。
目安としては38cmのウーハーを楽にセッティングしたいのでしたら最低でも20畳以上の部屋が欲しい感じです。
改造物はセッティングが非常に難しくなります。フルレンジ一発のスピーカーであれば調整は楽です。
2.スピーカーケーブル
以下の3つの要素を基本としてください。
スピーカーのインピーダンス 低ければ低いほど太いケーブルがあう。
スピーカーケーブルの距離 短ければ短いほど細く
再生音量の大きさ 大きければ大きいほど太く
といった感じです。
インピーダンスの整合性の例えを私的に表現すると出てくる音を水とするなら、
大雑把にいうと 庭で水を撒くビニールホースの様な感じがします。
たいした音量(水量)でも無いのに太いケーブル(ホース) を使ってしまうと抜けが悪くなり、ちょろちょろしか出ない感 じの音(水圧)になる。
合っているホースより細くなると勢いは出るが水がはねる(音が粗くなる)感じがします。
ちょうど良いのを探すのでは無く、大幅にずれるのだけを避けるぐらいの考えで良いと思います。
機材を繋ぐラインケーブル部分が長くなったとしても良いです。
エンジニアは10mを超えるケーブルを普通に使います。
スピーカーケーブルはシールドされていませんし極力短くが基本です。
アナログラインケーブルが非メッキ芯線の場合は非スピーカーケーブル、
ベルデンを使用する場合の様に、メッキ線の場合はメッキのベルデンのケーブルですが、
メッキのスピーカーケーブルは長さにより著しく音が変化しますのでセッティングは中々難しいです。
3.アンプ
それなりにということであれば安い中古のプロ用アンプがお勧めです。
昔20万程度したものでも5万円以下で手に入る事もあります。
選ぶポイントはスイッチング電源では無く電源トランスのアンプを選ぶことです。
高級アンプでは当たり前ですが、中古では安くその様なアンプを選択出来ます。
とにかく最高のものという事ですとパーツや回路にもこだわれる自作以上の物は無いでしょう。
ウーハーの駆動力はダンピングファクターとは無関係です。ダンピングファクターは制動力です。
ウーハーを動かす為にパワーアンプからパワーを掛けて前に出たウーハーが
戻って来る時に起きる逆起電力を制動する力だと考えて間違いありません。
駆動力は、電源回路がしっかりしているという事が条件。
駆動力の無いアンプを口径の大きいウーハーに繋げてしまうとウーハーの動きが鈍くなる。
そうなるとバランスが崩れ2ウエイ以上のものだとドライバーやツイーターは普通に動くので高域が耳障りな音。
片手で持てる様な小さな電源トランス搭載のアンプは大きなウーハーのスピーカーに繋ぐと、高域が煩いこの状態。
駆動力と繋ぐスピーカーとのバランスが合っている場合にはフラットな音、
非常に大きな駆動力があるアンプの場合は、そういったアンプを接続する事を考えていないスピーカーだと箱の容量不足で箱鳴りを起こしてしまう。
使用されるスピーカーのウーハーの口径が20cm程度までは、そんなに大きな違いにはなりませんが、
大きくなれば成る程、スピーカーとのマッチングが重要になります。
ここでの注意点はパワーがあれば、大は小を兼ねるのかという事ですが、
搭載トランス、出力、ダンピングファクター全て、それでは駄目です。
使用スピーカーの個性に合わせちょうど良いところを探す感じです。
38cmの2ウエイですと安い5万円以下の中古から選択するならパワーが70〜150W程度
ダンピングファクターが200程度のものに良いものが多いと感じます。お気軽にご相談ください。
4.ケーブル
当店のお勧めとしてはオーディオで使用する場合はプリーパワー間はゴッサムGAC-2PUR(10mを超える長距離の場合にはGc-4/1)がお勧めです。
他のケーブルより数段上のレベルと感じます。
CDプレイヤー等の比較的大きな電流が流れる音源からはGAC-2PUR(1970年以前の古い機材にはGAC-2111)がお勧めです。
プロ標準はGAC-2 PURですが、グレードの高い機材を使っていないと悪く聴こえてしまいます。
録音・マスタリング等にはケーブル自体に固有のくせを感じないGAC-2 PURをお勧めします。
アナログプレイヤー等の信号が小さい部分にはGAC-1(バランス接続ではGAC-2V1LowNoise)をお勧めします。
ゴッサム、モガミのオーディオケーブルは非メッキ芯線、非メッキ線シールドです。
音作りは芯線の太さと本数、被覆の厚さと材質等でバランスしているのですが、この計算が非常に優れていると感じるのが
スタジオスタンダードのゴッサムのケーブルです。モガミもゴッサムと似ていると感じる音。
これらの非メッキ線は長さによる変化が非常に微小。
ベルデンはメッキ芯線のメッキ線シールド、88760に関してはこれにプラスしてアルミホイルシールドです。ラインケーブルといえどもメッキ線の場合は長さで結構音が変化します。88760に関しては短い方がシャリシャリした高域が目立ち、ある程度長いと抜けが悪く感じる音。
5.電源
電源装置は使わず普通のコンセントから電源をとる。
電源ケーブルは銅単線が一番自然ですが安全上使えません。
PCOCCの電源ケーブルはより線ですが、電気的に有利な為か非常に良いです。
端子からはメッキを排除。
非めっき線の場合、太過ぎると抵抗値は低くなりますが音が詰まって抜けが悪くなります。
シールドがアルミだったりするとカサカサとした音が載ります。
ニッケルメッキが入った場合は上と下が持ち上がった様な一見良く聴こえるドンシャリぽい音、特に高域が煩い。
受けも差し込みも両側がニッケルメッキの場合は音が大幅に変化してしまい完全にフラットが崩れてしまう感じ。
6.イコライザー・ミキサー
音を曇らせてしまい鮮度が落ちた音。
音源がシャリついた音であれば中和して良い音だと感じる錯覚を起こします。
良いCDプレイヤーやDACの場合は繋がず直接パワーアンプに繋いだ方が鮮度が高い本来のバランスの自然な良い音。
名器といわれるものでも音源が良い場合は全く同じことで再生だけで録音をしない場合は不必要な物になります。
7.音源装置
レコードの場合は機材とレコード自体にかなりの投資が必要だが、比較的簡単に良い音が出せてしまう。
CDの場合はPCを利用する事で良い音が聴ける。PCはパーツにこだわった自作かMac。
設定はとことんシンプルに、オーディオ専用PCとして使用するのがベスト。
またPCからミニステレオ端子で直接アナログで出力すると情報量が減り音質が大幅にダウンします。
Windowsの場合はSPDIF出力からデジタル出力でオーディオインターフェイスでのアナログ変換がコストパフォーマンスが高い方法、
macの場合はSPDIF出力がある機種の場合はWindowsと同じ、macノートなどのSPDIFが無い機種の場合は安価なfiwrwireの
オーディオインターフェイスを使用する事で高音質を低価格で実現できるコストパフォーマンスの高い方法になります。
性能が高いDAでは大幅に高音質になります。
またPCでも多少操作性が悪くなっても音が良ければと言うことでしたらASIO対応の簡易な装置とソフトウエアで再生して
それをDACで受けてやればOSの悪さも無く素晴らしく自然な音を聴くことが出来ます。
アナログ音源
レコードプレイヤーの場合はカートリッジやケーブル、アーム等によっても音が変わりますが、電源はターンテーブルを動かす為のもので、信号部分は自家発電の様な造りなので電源の悪影響を受けずある程度良いものを使えば多くの場合デジタル音源よりは簡単に良い音が聴けます。
デジタル音源
電源、震動、DAC、PCを使用の場合はその性能などありとあらゆる物が影響します。
PCから直接アナログで音を出し音源側でボリュームを小さくしたりするとビット落ちした情報量の薄い音でシャリシャリした音です。
a
irmac等から音をとっても同じで、あまり音の良くない多くのCDプレイヤーも同じ傾向です。
フラットが出ていて音の良いDACやCDプレイヤーはパワーアンプに直接繋いだ時に良い音がします。
8.震動
オーディオラック・スピーカースタンドは木製で安定したものを使う。ガラスラックや金網ラック、ゴム足、キャスターで良い音は不可能。
震動を止めるのではなく、余計な音が付帯しない工夫。
インシュレーター・スピーカースタンド・ラック等
木材 非常に自然な感覚。機材に触れる面が小さい方が定位が自然。
ゴム 音が詰まった感じで音抜けが悪化。
金属・ガラス 金属系の音、ピアノやシンバル等の音が汚され耳障り。
9.XLR端子
普通は金端子には金コネクタ、銀端子には銀コネクターがスタンダードな接続方法です。
異種類の金属を接点にして電気が流れると電位差の悪影響が出ますが、同じ金属の接点にすることで回避できます。
様々な原因でバランスがとれていない時には、
金+金は柔らかい音で前に張り出してくるもっさりした印象になる場合があり
銀+銀は全体的に抜けた様なシャキシャキしてしまう感じになる場合があります。
部屋の吸音が出来ていない場合、ややシャープな音に振った方が定位が出て良く聴こえる時もあります。
ただ全てを自然な状態にという考え方からは離れ、変わったもの同士でバランスを作る感じになってしまいます。
10.スピーカーケーブルを止める金具やねじ等
片側程度は良いのですが挿し受け共に金メッキのものを使うと音が柔らかくもこもこして変化し不自然、
ニッケルメッキもですが挿し受けと両側に入ると完全に音のバランスが崩れてしまう。
11.吸音
結構気にしていない人が多い点です。響きすぎる部屋ではスピーカーから出る音と反響が混ざり自然な音にはなりません。