インピーダンス整合とケーブル
インピーダンス整合
送り出し、受け側のインピーダンス整合している状態、マッチングしているであれば正確な伝送が出来、
かつ最大・最良の入力を取り出す事ができる。
ハイインピーダンスにふれた状態だと反射、ローインピーダンスにふれた状態では損失が発生する。
インピーダンスについては詳しく説明すると物理学になってしまいますので簡単に説明したいと思います。
オーディオでもインピーダンス整合を行うために様々な事が考えられています。
例えばマッキントッシュの多くのパワーアンプやプリメインアンプには電源トランスの他に出力トランスを内蔵させ
スピーカーのインピーダンスに合わせ出力を取り出せる様になっているものも多くあります。
ピュアオーディオやレコーディングとなるとケーブルに関してはまずは音的に自然で導体自体にくせが無い非メッキ線をお勧めします。
スピーカーケーブルの選択
オーディオでは太いケーブルを短く接続すれば最高の状態になると単純に考える方もいます。
これは電気的抵抗値が低くなればということだけでインピーダンスをまるで無視した考え方です。
適正以上の太いケーブルは損失が大きくなります。
もし電気的抵抗値を低くするだけで良い音が聴けるのであればスピーカーケーブルは、
もの凄く太い高圧電線の様なものを使えば良い事になってしまいます。そんなことをすれば損失が大きくまともな音にはなりません。
このケーブルについてのインピーダンスは実際とは違う部分もありますが、よく言われる例えとして、水とホースの関係があります。
庭に水を撒くホースは水量が増えれば増える程、太いものが必要になります。
少ない水量なのに太いホースを使えば出てくる水の勢いは小さくなってしまいます。
スピーカーケーブルを例に出したのはオーディオに使うケーブルの中で最も差が出易い部分になる事と単純な造りの為、考え易いからです。
アンプの出力やインピーダンス、スピーカーのインピーダンス、使用する距離も関係はありますが、
最も違いが出る部分は聴かれる音量・音圧になります。
スピーカーケーブルの場合、単純によく聴く音量が大きめであれば太いケーブルのマッチングがよく、
逆に小音量メインなら細身のケーブルの方が良くなります。
長さについては長くする場合は少し太めのものを選択するのもインピーダンスマッチングを考えると当たり前の事になります。
ケーブルメーカーが様々なケーブルを出しているのにはインピーダンスマッチングに理由があるからです。
つまり聴かれる音量、機材、セッティング環境によりベストケーブルは違います。
ラインケーブルの選択
スピーカーケーブル程ではありませんが、マッチングによる変化もあります。
ケーブルメーカーは芯線の断面積を公表しています。理由はケーブル選択の際に重要項目になるからです。
ゴッサムのケーブルをお勧めしているのは、カッティングマシンやノイマンマイク、多くの一流レコーディング機材に繋がっていた
昔からプロユースの実績の高いケーブルだからという理由だけではありません。
繊細な導体とシールド線のよる取り回しの良さ、細いシールド線で右巻き、左巻きと厳重な200%シールド、
導体とシールド間の絶縁体の厚みを均一にする設計とここまで拘りのあるケーブルは見た事が無く、
欠点と言えば他のケーブルと比較して製作が面倒という事と、野外で使う事に向いていない事ぐらいしかありません。
大変多くの試験をしましたが音的には、やはり一番再生レンジが広く感じます。
CDプレイヤーやDAC等のデジタル音源からGAC-2111、プリ~パワー間をGAC-4/1をお勧めしているのもインピーダンスの問題です。
特殊な機材や環境で例外はあるにしろ、通常音源からの接続よりプリ~パワー間はローインピーダンスのケーブルが
マッチングすることが多くなります。
GAC-4/1は芯線が2本より合わせるカスケード接続になる事によりGAC-2111の倍の断面積です。
長距離の場合にも有効なケーブルです。
アナログプレイヤーやギターなど更にハイに振りたい状況の場合はGAC-1という訳です。
この辺りの事が分かってくるとケーブル選択で、環境に合わせたものを選択する事について考える事が出来ると思います。
RCA-RCAの機材よりXLR-XLRのプロ機材の場合の方がローインピーダンスケーブルが合いそうだとか、
短距離でRCA接続の場合は2芯、出力の大きい機材やプロ機材の接続、
長距離なら4芯や芯線の断面積が大きめの方がとかいう事で考えて合わせて行く訳です。