スタジオとオーディオ
録音スタジオの移転や機材入れ替えの為のケーブル製作やお手伝い等でプロのスタジオに出掛ける事があります。
機材のグレードの違いは仕方が無いにしろ真似できる部分もあり、録音の仕方やオーディオにおける自然な再生にも参考になる部分があります。
スタジオでは壁は一面スポンジで吸音、コンソールの所ではヘッドフォン、スモール、ラージで各々モニターできる様になっている所が多いです。
コンソールの上脇にはNS-10、ムジーク、GENELEC等のスモールモニター、ラージモニターは前方壁上部に埋め込んである場合もあります。
ファンなどうるさい機材や発熱のある機材は空調の利いたマシンルーム、ヴォーカルや楽器の録音の為のヴォーカルルーム等の小部屋が隣接し分厚いドアで音漏れがありません。
ケーブルは5m以上のものが数百本という途方もない量が使われています。
モガミ、カナレ、ベルデン、ケーブルにも音質にこだわりがあるところではゴッサムが使われています。
日本のスタジオでも使われているケーブルは実に様々です。
コンソールはSSL NEVE Neotek API MCI AMEK Focusrite TRIDENT QUAD-EIGHT等が使われていました。
現在はデジタル化でアナログコンソール自体があまり使われなくなっています。
過渡期にはEuphonix等のデジタルコントロール・アナログコンソール も出現しますが、
DAWの著しい高性能化と制作環境の変化によって アナログ・多チャンネルのコンソールは役目を終えつつあります。
パワーアンプでよく見るのは、制動がしっかり必要なヤマハのスピーカーに、YAMAHA、クラウンDC300、PSA-2、D150、hafler P3000
いわゆる速い低域のアンプと言われるものとの組み合わせで駆動力と制動力が利いてマッチングをとっていたりします。
現在ラージモニターはあまり使われませんが、昔はALTECや多くのJBL等の軽めのウーハーいわゆる低域が出難い硬い音のし易いものにはUREIやマッキントッシュの低域がゆったり鳴るアンプを繋げてマッチングをとっていたりしました。
お客様からの質問を受ける事の多いALTEC604、JRXやEVの38cm2ウエイの一部の機種は低域が出難いタイプのスピーカーに入ります。
つま大きなウーハーを動かす力がありながら柔らかい低域を出してくるマッキントッシュ等の一部のアンプは非常にマッチングが良いと思います。
安価なものでも、似た傾向のものとしてUREI等の中古アンプがあります。
型番により違いもありますので中々スピーカーに合わせた選択は難しいので、ご相談にもお答えしています。
当店でもパワーアンプの販売は考えて探しているのですが、現在新品で販売されているアンプで低価格で多くのスピーカーに合いそうなものが
中々見つからず苦労しています。中古のアンプは見た目は良いものが少ないのですが音は凄いものもあり実力から換算すると、
ちょっと安過ぎるのではと感じる様な価格で手に入ってしまう時も少なくないからです。
YAMAHA10MにPSA-2,D150,hafler P3000、YAMAHAPC2002等
ウエストレイクのスピーカーに専用チャンデバでクラウンPSA-2,DC300,インターシティのアンプ
JBL4331,4333,UREI等 UREI6300,6500,マッキントッシュMC2300は映画配給の会社でも昔よく使われていました。
JBL4425 クラウンD150
これらはプロのセッティング例ですが、ラージスピーカーについてはずいぶんと昔の例という感じで、
近年はパワードスピーカーが主流でマッチングを気にする事も減ってます。
アコーステックやクラシック、映画等の録音等にはラージモニターも有効的ですが、デジタル時代にはラージモニターの必要性自体が薄いです。
現在、著名なスタジオではムジークのシェアが圧倒的で置いてない所は無いのではという勢いがあります。
ラージもムジークを使っている場合もあります。一般的には既にシステムを有る程度持っている方には高価な感じがしますが、
レコーディングスタジオや音楽関係の学校等のスタジオ設備でも設備を1から入れる場合にパワーアンプもセットになって
アンプとのマッチングを気にしなくても良い、帯域も広く同軸のメリットもありコストパフォーマンスは良いと判断されています。
最近出掛けたところでは、スタジオ設備がビルの各階に1つづつ3つのフロアで作業が出来る様になっていました。
電源に関しては特注の電源タップが機材近くまでVVFで配線してあり、電源周りでの音変化が無い様に対処してありました。
珍しいものとしては大型のスタジオでしか使わない様なEMTの鉄板エコーがありました。
畳一畳以上もある鉄板を使ってリヴァーヴをアナログ的に掛けるアナログ時代からある装置です。
リヴァーヴ(エコー)をデジタル加工で作ろうとすとどうしても音質が落ちる。とは言っても最近の技術の向上は凄く良くなり
デジタルでもかなり良くなったとの事ですが音質に妥協を許さない技術度の高いところで使われているものです。
鉄板の間隔を調整する事でリヴァーブの掛かりをアナログ的に調整が出来る様になっています。
アナログ時代は問題が無かったがデジタルになり-40dBぐらいの音でもノイズとして入ってしまうために、鉄板エコーは木枠で厳重に囲われて
完全防音の部屋に入っています。こうしないと近くを車が通っただけでノイズを拾ってしまうからです。
今では設備が大変なので使われなくなりつつある機材ですが、
演歌のレコーディングを行う様なところでは必ずといって良いほど使われている事で有名な機材です。
たとえが極端かもしれませんが、アナログの音をデジタルにする作業は圧縮音源にする様なものです。
つまり音はデジタル-アナログ-デジタルと変換を繰り返す度に音質は悪くなりますので、繰り返しDA、AD変換を行わないでのミックスが、
自宅録音でも良質な音をとるコツになります。ただそうなるとそれなりの機材が必要になる場合もあるのが難しいところですが
アナログ時代よりはシステム自体がずいぶんと安価になっています。
再生の場合もデジタル信号は変化を加えないストレートなデジタル信号を取り出せる様な機材とケーブルの選択がポイントです。
PCを使用する場合は、PCのところでも触れていますがASIO出力出来るインターフェイスとソフトウエアを使用する事でOSの悪影響は少なくなりインターフェイスからDACへの接続は同軸やAESの場合はAES/EBUの規格段階から深く関わっているゴッサム社のケーブルを選択頂ければ間違いが無いといえます。
オーディオは趣味ですので好みの音が聴ければ良いと思いますが、ゆったりとした気分で音楽を聴くのに
ケーブルでの色付けが全くないと感じる本来録音やモニター用途のゴッサムケーブルは非常に有効ですし、
派手で元気な音が好きという方にはキラキラした高域の個性のベルデンのケーブルが向いています。
とにかくボーカルを目立たせたいと言う場合にやや中域の出てくる感じがするモガミを選択する選択肢もあります。
全てのケーブルメーカーで使用する箇所、例えばマイクであればマイクに適したケーブルを用意していますので
同じケーブルでも型番が違うと結構音が違うと感じると思います。
ゴッサムでもGAC-2111とGAC-4/1についてはEMT設計でEMTの音に対する考え方を感じるケーブルです。
その他のゴッサムケーブルと少し違う個性を感じます。
オーディオの場合ですと、音源からのケーブルはGAC-2111、パワーアンプやパッシブボリュームへの接続はGAC-4/1が
音抜けもよく自然で多くの人に良いと思えるケーブルになるかと思います。
とことんフラットに感じる様な全く色付けを感じない様な音を追求となるとプロユースのGAC-2PURですが、
ハイグレードなデジタル機材を使っていないとぬるく感じる事があります。
ベルデンでも8412と88760では全く違う傾向の音ですし、モガミでも2芯と4芯はかなり大きな違いがあります。
これらの特性を知った上で好きな音を探してみると良いと思います。