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自然なフラットな音

プロのマスタリングでは、出来上がった音をチェックするのに自然でくせのない出音が絶対に必要です。

 

理由は簡単な事ですが、実際にCD等で音楽を聴くのだったりDVDで映画を楽しむのはコンシューマーです。

 

その為、環境はその人によって様々でラジカセだったり、ステレオだったりiPodだったりしますし、出している音はハイ上がり、

ドンシャリ、中域が上がったカマボコだったりと様々で、セッティングがとれていない場合や

マッチングがとれていないアンプを使っていたり部屋の反響までも考えると、ひとりひとりそれぞれ違う音を聴いている事になります。

 

これらの色々な環境の方誰もが良い音だと感じる様にするには、どこかに合わせるのでは無くて

完全にくせの無いフラットな状態で良いと思える音源を作る事で、

音の個性による変化が最小限で済み色々な環境で聴いても良いと思えるものになるからです。

 

現在もスタジオではヤマハの10Mが使われている所が沢山あります。

プロが組み合わせるアンプとして多いのはamcronのD150が多くDC300,PSA-2を使っているところもあります。

 

ただ、それはラジカセの音に合わせる為ではありません。

 

10Mはくせの無いモニタースピーカーの為、このスピーカーで合わせると色々な環境でも良く聴こえる様に

効率的に作業を進める事ができるという事でプロの人気を集めたからです。

 

10Mで合わせたものをラージモニター、ヘッドフォンで聴いたりセッティングが合っていないオーディオで聴いても違和感が少ないのです。

 

昔はALTEC、JBL等のラージモニターがモニターとして使われていました。位相にくるいが出るのを嫌い

2ウエイでオリジナルネットワークのままの使用が多いです。


今では使っている所は少なく、時代が進むにつれ求められる帯域が広いものが多くなってきてGENELECやB&W等も使われました。

 

昔のスピーカーでもスペック表では40Hz~20,000Hzといった形で書いてありますが、

実際にフラットに音が出てくるのは、よく出ているものでも15,000Hz程度までのものが多いです。

 

最近のモニタースピーカーはご紹介したムジークを含め20,000Hz以上までフラットに出てくるものが多くあります。

 

本当に良い音で聴くにはプロがモニターしている、くせの無いフラットな環境に極力合わせた方が良い訳です。

実際に10Mに100W程度の適当なプロアンプを繋げてもかなりバランスの良いと感じる自然な音を聴くことができます。

 

ただプロが使っている機材は高性能ですが高価のものが多いです。


アナログの時代はスタジオを作るとなれば機材だけで億、現在でも小さな所でも数百万は掛かります。


ただ、ケーブルについてはプロ用ケーブル、最近はゴッサムの実績が高くなっていますが安価です。

 

当店の扱っているケーブルだとGAC-2 PUR、GAC-4/1、GAC-2111等が一番モニター機材の接続に向いていると感じます。

ヨーロッパでは昔から使われているケーブルで、くせが無くて録音作業の進行がスムーズになるという事で、

日本でも数年前から実績が高くなってきています。名器といわれるビンデージのプロ用機材の内部配線にもGAC-2 Foilをよくみる事ができます。

 

ゴッサムと比べるとややレンジが狭く感じるモガミやカナレを使っている場合もあります。

ベルデン以外のメーカーのアナログケーブルは全て芯線・シールドともに非メッキ線しかみた事がありません。

ベルデンの8412や88760は芯線・シールドともにメッキ線で他のケーブルとは造りと音の傾向が違います。

 

録音、ミックスダウンではなくモニターの場合はシンプルですのでコンシューマーでも合わせる事が出来る部分が多くあり参考にできます。

 

 

システム的には通常のオーディオでと比較して下記の様な感じになります。

 

音源はデジタルとします。

 

トランスポート   PCがお勧め HDDに無圧縮wavで保存する事により高級CDトランスポート と違いが分からないぐらいの音が手軽に聴けます。

┃           PCからアナログで出力してはノイズが載り良い音は無理です。       





┃       ベストは同軸SPDIFもしくはAES/EBUで接続 光出力をどうしても使わなければいけない様な場面の場合は

┃       短い距離で同軸に変換して、そこからの距離を長くとるという手もあります。   



DAC     Avocetはマスタリングプロも認める圧倒的高音質。現在これ以上のものは無いといえる様なハイエンド。

┃       何とか5~10万円程度でご紹介出来るものが無いか探したのですが中々音が良いと言われているものと

┃       比べても次元が違うというか、あまりに音質差が大きく、違いが有り過ぎる感じです。

┃       その為無駄が少ない方法としてPCの場合でしたらまず2万円程度の評判の良く同軸のSPDIF出力かAES/EBU出力が付いた、

┃       後々にDDコンバータとしても使用できる拡張性のあるUSBやfirewire接続のDACやサウンドカードを使用する事をお勧めします。

┃       安価な簡易的なものでも、PCやiPod、airmac等からからアナログ出力する音からすると

┃       遥かに高音質なので使った事が無い方は驚かれると思います。



パッシブタイプボリュームコントローラー



┃      プロはAvocetの様にDACに音質を下げないボリュームが付いているものを使うので必要無いのですが、

┃      コンシューマーの場合は必要です。

┃      これもよくプロがスタジオ仮設状態の時に使うような、オリジナルで高品質なボリュームを企画したのですが、

┃      部品代だけで近く10万円程度掛かってしまいとても一般的では無くなってしまう為、

┃      低価格なモニターコントローラーをご紹介しました。

┃      今後はこだわり抜いた形で高品質なものも、ご紹介したいと思います。

パワーアンプ   とにかく使用スピーカーとのマッチングが大事です。

 

 

プロでもモニターする時はミキサーやプリアンプはくせがあり音が悪くなるので使いません。

ミキサーは名器と言われる様なものでもモニターには全く必要の無い回路が多くあり、

電流が通る距離が大幅に長くなってしまうミキサーはモニターには適さないのです。

 

アナログレコードを聴く場合には必須の様に感じるでしょうが、これも機能が多く無駄な回路をパスする、

出来の良い出力があるフォノイコライザーがあればプリアンプより鮮度の高い音が聴けます。

本当に良いバッファーアンプを使った音質の良いプリというのは確かにあるにはあるのですが、やはりかなり高額なものになってしまいます。

 

ポイントは幾つかあります。


ほぼ全てのパワーアンプのボリュームは2時ぐらいまでの所が一番音抜けが悪いのです。


ボリュームが無いのが一番ですが、基本的には全開で左右バランスの微調整をする程度の使い方がベストです。

 

またPC音源とした場合にソフトウエア上でボリュームを落とすとビット落ちして音質が悪くなってしまい大幅に音質が落ちます。

 

つまり音源のボリューム、パワーアンプは全開でプリが無いとなるとどうしても音量を落とすものが必要になります。

それが電源を使用しないパッシブタイプのボリュームコントローラーと言う事です。

 

多くの機材をを使っていて、どうしてもミキサーを使わなければいけない場面でも、ミキサーから+4dBで出して

ボリュームコントローラーでボリュームを制御して、パワーアンプは全開近くで使った方が音抜けが良く数段良い音で聴けます。

 

またラインケーブルは長くなってもスピーカーケーブルが短いというセッティングの方が音は良いです。

プロでもラインケーブルは普通に10m以上で使う時も多いです。パワードスピーカーはこの点でも非常に有利です。


真空管やトランジスタのモノラルアンプをスピーカー近くに置いてセッティングする様な場面も見た事があるかと思います。

 

スピーカーケーブルの太さについては太ければ良いと言う訳ではなく必要な太さ以上に太過ぎると音抜けが悪くなりますので

インピーダンスと距離、実際に使う音量等を考えて合わせます。

 

一般的なスピーカーケーブルであれば短い距離なら細く、長い距離なら太く、スピーカーのインピーダンスが4~6オームなど低いものは太く、

16オームのスピーカー等インピーダンスが高いスピーカーなら細く、音量を大きく掛ける場合は太く、

これらの事項を複合的に考えて適している太さのケーブルを選択します。

 

非メッキ線の場合はこれらを考えるだけですが環境による部分がありますので最適なものはやはり試してみないと分かりません。

 

長さによって音変化の激しいメッキ線の場合は高域が綺麗に出ていない状態やミキサーやプリで音がぬるく

中域が持ち上がった様な状態で使うとよく聴こえる事もあります。


ただ音源が悪く高域が歪んでいる場合は耳障りな音になります。

 

これらの事はプロはもちろん、機材を製作する側の人間は誰でもが知っている基本というより常識となっています。

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