スピーカーの選択
オーディオの最小セットは、CDプレイヤーやパソコンやアナログプレイヤー(これの場合は最低フォノイコライザーがいりますが)等の音源部分と
ボリュームが付いているパワーアンプ(ボリュームが無いものだとプリアンプが必要)とスピーカー、それにそれぞれを繋ぐケーブルで構成できますが、まず選択しなければいけないのがスピーカーになります。
というのは、スピーカーの選択次第で出てくる音がある程度決まってしまうのと、表現力が高い性能が良いスピーカーになればなるほど
細かな音まで再現できる代わりに、何か間違いを起こしているとそれを音としてダイレクトに出してくるからに他なりません。
性能が高いスピーカーであるほど表現力はありますが、高いセッティング技術が必要になってしまいますし
本当に良い機材を使ってやらないと聴くにたえない様な音が出てきてしまうからです。
38cmウーハーの2ウエイは表現力も高く素晴らしい音ですが、良い機材でまたセッティングもつめなくてはならなくなります。
またスピーカー自体の大きさがありますので、狭い部屋ではスピーカーからリスニングポジションまでの距離がとれず
セッティングを詰めるのに苦労します。
バックロードホーンのスピーカーなんかも能率が高く大きなものは難しさが出てくる感じです。
ただフルレンジの場合はユニットが1つの為、帯域は狭くなるものの位相も気にしなくていいのでセッティングは簡単だとと感じます。
基本的に簡単なセッティングで良い音で聴けるのは
部屋のサイズとスピーカーのサイズ(スピーカーとリスニングポジション間の距離)が比例している場合になります。
例えば
1.口径が20cm程度までのスピーカー
安価な物から高額な物まであります。表現力は大型スピーカーとは違いますが、
駆動力の無いアンプでも粗が出ない事が多いのでアンプのマッチングを深く考えなくて良い時も多いです。
音楽を近距離でモニターしたりそこそこのアンプで良い音で聴きたいのにはぴったりです。
小口径でも良いものは、凄く良いです。
フルレンジであれば位相も気にしなくて良いのでセッティングも簡単な事が多いです。
2.口径が30cm程度までのスピーカー
一般的な15畳程度までの部屋なら一番お勧めできるサイズだと思います。
昔オーディオブームの時に30cmウーハーの3ウエイや2ウエイの国産スピーカーが沢山売れたのも、価格が安かっただけではありません。
38cm程アンプのマッチングは気にしなくても良い音が出易いですしし、
サイズ的にも置き易くセッティングがしやすい、結果ワイドレンジで良い音を簡単に出し易いという原因です。
3.38cmウーハーのスピーカーや高能率なもの
往年のJBL、タンノイ、WEやアルテック等の名機と言われているスピーカーがこれです。
特に大きなものは大きな部屋で無いと極端にセッティングが難しく、
元々が大きな部屋で使う設計の38cmウーハーのスピーカーを簡単にセッティングするには20畳以上の部屋が必要だと感じます。
本当に音の細かい部分まで表現出来ますが、セッティングが難しく調整しきれずに
「30年使ったが鳴らしきれず本当の音を聴くことが出来なかった」といって手放した方の話は結構多くある様な物です。
第一にアンプのマッチング
あとは部屋の反響音の調整、電源、音源、ケーブル、ラック等
沢山あるオーディオの要素を完璧にセッティングしていかないと、とんでもない音になります。
何をやっても大きく出音が変化します。
それが難しさで、オーディオファンの醍醐味でしょう。
この部類の物は例えばスピーカー内の吸音材の位置や量がほんの少し変わっただけで全く違う音になります。
その為せめてメーカーの技術者がセッティングしている純正箱・純正ユニット・純正ネットワークという組合せが良いです。
これらが別々だとネットワークが悪いのか箱が吸音材がとどこまでもセッティングが必要になってしまいます。
簡単な話、全て良い機材とケーブルを使用し一見完璧な状態でも、機材を置いているのがガラスラックであればガラスの響きを
音にのせてきて、とても聴いてられません。そうなった時にそれに気づかずにケーブルや機材をいじり高域を落とすような
セッティングをとると今度は違う問題が出てきてと、もうセッティングしきれない無限ループに落ちていきます。
しかし全ての要素を1つづつ潰していけばオーディオ機器から出るとは思えなかった音を聴けるのも事実です。
オーディオ屋さんでアルテックの515や604は低域が弱いと何度か聞いた事があります。
純正の箱に入っていてそう感じるのであれば、それは機材や電源環境、ケーブル等のどこかが悪い。
ただ、一番間違っている可能性が高いのは合わせているパワーアンプです。
音は変化の大きい出口から固めていく、またスピーカー選択は非常に重要です。